訪問看護2年目から6年目へ
このページでは、訪問看護を始めて2年目の頃と、経験を重ねた6年目の訪問看護師のインタビューをご紹介します。
2年目は、利用者さんとの関わり方に戸惑いながら、自分なりの訪問看護を模索していた時期。それから4年が経った6年目の今は、「看護師としての正しさ」だけでなく、「その人が生きていく上での正しさ」を大切にする看護へと変化しています。
経験を重ねる中で、何を感じ、どのように成長してきたのか。2つのインタビューを通して、彼女の変化と現在の想いをお伝えします。
訪問看護2年目のインタビュー
その人の生き方や想いに寄り添う看護へ
病院やクリニックではその場で終わってしまう。患者さんのその先を知りたかった。
「この患者さん、家でどうやって生活してるのかな?」と気になってました。
- Qスタイルに入る前は何をしていましたか?
- A
病棟での看護を長く続けて、その後クリニック勤務です。看護師の経験はもう20年以上になります。
- Q訪問看護は初めてなんですね。
- A
今までは病棟の経験が長く、そのあとクリニック勤務だったのですが、もともと人と関わるのが好きなんです。訪問看護を選んだのは人と関わってお話するのが好きだし、違うことにチャレンジするのにまだ体が動くのは今かなと。
- Q病棟やクリニックではあまり人との関わりがなかったのですか?
- A
病棟やクリニックだと、流れ作業のようにその場で終わってしまうんです。手当する時に会話はしますけど、それ以上はないんですよね。
クリニックがガン専門だったので、継続して患者さんは来てくれますが、接する時間が短いですし、途中で来なくなったりしますし、継続的なコミュニケーションができなかったんです。
短い時間でも話をする中で、「この患者さんは家でどうやって生活してるのかな?」と気になったりしていました。できれば家庭の様子を見てみたいなと。病棟だったら寝たきりの患者さんが一人でトイレに行けない人だったら、在宅でどうやって家族が介護してるんだろう、とかその先を見てみたかったんです。
管理者の中村さんは、訪問看護に対する情熱がすごかった

- Qスタイルを知ったきっかけは?
- A
求人を見ました。家から通いやすくて、オンコールがないところ、車の運転で神経を使いたくないので電動自転車で回れるところを探していました。あまり私の合う条件がなくて。なので、面接をしていただいたのはスタイルだけです。
- Qスタイルに決めた理由は?
- A
訪問看護をやってみたいと思って応募したのですが、やっぱり未経験で不安がありました。例えば、訪問先で利用者さんの体調が変わった時に、自分1人で対応できるのかとか。でもその辺りも、他スタッフとの連携の仕組みができているので、少し不安が減りました。
あと面接してくださった管理者の中村さんが、訪問看護に対する情熱がすごかったんです。中村さん自身も病棟から訪問看護の世界に入ってきたみたいですが、私も同じ経緯なので、一通りの経験をしてきてる存在がいることが安心感につながりました。
その後に電話をいただいて「ぜひ来ていただきたいです」と言っていただけたので、決めました。
- Q他に決め手はありますか?
- A
務めていたクリニックを退職するのに少し時間がかかってしまって、実は半年ぐらい入職を待っていただいたんです。たぶん早く採用したかったんだと思うのですが、急かすこともなく待っていただいたのが好印象でした。
最初は利用者さんに受け入れてもらえなかった・・・

- Q実際に訪問看護を経験されてどうでしたか?
- A
知り合いの訪問看護師から、暑い日・雨の日も自転車で回るのが体力的にしんどいと聞いていたのですが(笑)、特にそれは感じていません。むしろ、利用者さんとの関わり合い方のほうがむずかしかったです。
最初は利用者さんに受け入れてもらうことができなかったです。経験が長いスタイルの看護師たちの中で、いきなり私が訪問するわけじゃないですか。利用者さんから、他の看護師と私の対応が違うと言われたんです。
病院やクリニックの時と同じようにふつうにしゃべってるつもりでも、ぜんぜん違ったんです。最初はその違いがぜんぜん分からなかったんです。
- Q病院と訪問看護の違いは何だったのですか?
- A
病棟だったら患者さんは受け身なので、看護師のペースで物事を進められるんですね。時間になったら検温や点滴、血圧測ったりするので、患者さんはそうされるのが当たり前なんですよ。看護師も聞くことはだいたい体調のことになるんです。
でも訪問看護は、利用者さんのお宅におじゃまするので、私がお客さんになるんですね。病院のペースで進めると、利用者さんが戸惑ってしまったようなんです。
- Q具体的にどういう行動だったのですか?
- A
「今日の体調はどうですか?昨日は寝れましたか?」とか、体を診ることをまずやろうとしていたんです。病院とは違うと思いつつも、染み付いた対応の仕方が出てしまっていたのですかね。
今は勉強会やディスカッションで教えていただきつつ、学んでいる段階です。他のスタッフの関わり合い方を知ることで、いろいろ教えてもらってます。
- Qステーション内でディスカッションすることで、変化はありましたか?
- A
ただ体を診るだけの職業としての看護師と受け止められると、心を開いてもらえないんですね。看護師と利用者という関係の前に、人と人との信頼関係を築くというか、どうやったら仲良くなれるかかなと考えるようになりました。
- Q訪問看護の場合は、年単位のつきあいですもんね。
- A
そうですね。病院では深い話はできないですし、日常会話程度で終わってしまうところが、訪問看護だとこれまでの暮らしであったり、仕事や若い頃のお話、子育てのお話とか、いろんな話が生まれます。
些細なことでも質問できる環境。必ず適切な回答が返ってくるので安心です

- Q訪問看護の世界に入ってどうですか?
- A
いろんな利用者さんの話が聞けて、今まで見れなかった世界が見れています。あらゆることが勉強になって成長につながってると感じています。病院とは見る視点がぜんぜん違いますし。
- Qまだ経験は少ないですが、印象的な利用者さんはいますか?
- A
少しむずかしい利用者さんがいるのですが、体の不安、行きていく不安をぽろっと私に言ってくれるときがあるんです。そういう話をまだ経験1年未満の私に話してくれるようになって、やっぱりうれしいです!
- Qスタイルの良いところは?
- A
スタイルは看護以外にもリハビリがあるので、他職種のスタッフとの関わりや連携を取りながらできるのは、すごく良いですね。あと管理者の中村さんが、訪問看護の情熱がハンパなく大好き人間なので、なんでも適切な回答が返ってきて本当に助かってます。
他スタッフさんも困ってることを相談すると、テーブルを囲んで聞いてくれたり、アドバイスをもらえたり、頼もしい環境です。
- Qなんでも聞きやすい環境なんですね。
- A
しょうもない質問して大丈夫かな?と思うようなことでも、真剣に聞いてくれます。最初は自分の何がダメなのかが分からなかったので、そういう部分から聞けるというか。いろいろ質問していると、他のスタッフさんも同じような経験をしてきたようなんです。「誰でもそんな経験あるから!」と言ってくれるので、ほっとしますよね。
- Q今後はどんな看護師になっていきたいですか
- A
人として信頼されないと始まらないので、関係性をどうやって作ったらいいのか日々考えながら精進していきます!

訪問看護6年目のインタビュー
「看護師の正しさ」から「その人の正しさ」へ
- Q実際に訪問看護を6年間経験してみてどうか?
- A
人と人との関わりという点で、病院とは違うと感じました。最初は戸惑うことも多く、それが自分の対応次第なのだと気づくまでに時間がかかりました。私は看護師として20年以上の経験があったため、「自分は自分」という姿勢で関わっていました。ほかのスタッフと何が違うのかに気づけないまま、分からないなりに訪問を続けていたのだと思います。
しかし、利用者さんから「あなたはほかの看護師とは違う」と言われたことで、自分の関わり方を考えるようになりました。ほかのスタッフとの同行訪問で、それぞれの関わり方を比較することも、自分自身を振り返るきっかけになりました。病院で経験してきたことが間違っていたのではなく、そのやり方が訪問看護ではそのまま活かせないこともあるのだと感じました。
言葉で表現するのは難しいのですが、病院と訪問看護では寄り添い方が違います。言葉かけ一つにしても、以前は自分自身より「看護師としての立場」を優先していました。今は、その方が大切にしてきた生活や生き方、考え方、これからどのように生きていきたいのかという想いを、まず考えるようになりました。その方の生活の場にお邪魔し、お話を伺いながら、「何かお手伝いできることはありませんか」とお聞きする姿勢に変わってきました。
以前は「看護師としての正しさ」を基準にしていましたが、今は「その方が生きていく上での正しさ」を大切にしています。失敗を繰り返しながら、なぜうまくいかないのかを考え、管理者との個人ミーティングや全体研修を重ねる中で、少しずつ変わることができたのだと思います。
研修では、スタッフ同士でディスカッションをしたり、一人ひとりと話したりするワークを行いました。自分には自分の訪問看護への想いがありますが、ほかのスタッフが日頃どのようなことを意識して利用者さんと関わっているのかを知ることができました。さまざまな見方や考え方に触れ、「自分も参考にしたい」と思えたことや、一対一でじっくり話せたことも良かったです。
ランチ中や事務所に戻ったときの何気ない会話からも、「このスタッフはこう見ているんだ」「私の訪問時には聞かなかったけれど、利用者さんにはこういう一面もあるんだ」と、新しい発見があります。同行訪問でほかのスタッフの関わりを見ることも、自分自身を振り返る機会になっています。大きなきっかけが一つあったわけではありませんが、さまざまな経験の積み重ねによって、少しずつ自分の関わり方を変えられているのかなと思います。
- Q今の訪問でうれしいことは?
- A
以前は、本当に「なぜうまくいかないんやろ?」「どうしたらうまく信頼関係をつくれるんやろ?」と、そればかり考えていました。今は、訪問中のちょっとした会話の中でも、「こんなことを話してくれて良かった」と思えることが増えてきました。
例えば、長年関わっている利用者さんと何気ない話をして、ご機嫌になってもらえたとき。テレビやスポーツ、おいしいご飯屋さんに行った話で盛り上がって、「平和な訪問やったな」と思えるとき。「今日は困り事ばかりの話ではなく、何気ない話もできたな。良かったな」と思います。
今の苦しい状況を吐き出してくださり、「まだ話し足りない」と言ってもらえたときもうれしいです。「もっと気持ちを吐き出したいと思ってくれているんや」「私に想いを吐き出してくれているんや」「私が吐き出せる場所になれているんや」
そう思えるとき、うれしい気持ちになります。
- Q6年間続けてこられた理由は?
- A
一つの訪問でも、「良かった」「楽しかった」「いい時間やったな」と思えることがあるからです。利用者さんのいい笑顔が見られたり、お話をしてくださったりして、「いい時間になった」と自分が思えるようになってきました。
以前は、「私が行くことで、余計にしんどい思いをさせているんちゃうか?」「逆にストレスをかけているんちゃうか?」「自分が行って申し訳ない……」と思っていました。
今は、「一緒にいい時間を過ごせたらいいな」という気持ちに変わっています。だから、続けられているのかもしれません。
- Qスタイルの訪問看護とは?
- A
「幸せを願って」という理念のもと、看護師と療法士が一丸となり、利用者さんの生活をより良くするためのお手伝いをしています。
看護師と療法士が、普段の雑談だけでなく、利用者さんへのサービスについても意見を交わせることは、とても大きいと思います。
看護も一人の受け持ち制ではなく、みんなで訪問することは、スタイルのいいところだと思います。利用者さんも、いろいろな見方や考え方に触れることができます。利用者さん、看護師、療法士のそれぞれにとって、いいことなのかもしれません。
- Q一緒に働く方へ、スタイルの推しポイントは?
- A
私にもできたから、きっと人が好きな方なら大丈夫です。人が好きというのは、その人の生き様を見せてもらえるということです。
これまでの生き様や、これからの生き方。「これから、どう生きていかはるんやろ?」と、ドラマのような人生を見せてもらえます。
そこを楽しめる方なら、きっと楽しく働けると思います。私たちと一緒に働きませんか?


